親知らずは「乳児の歯の生え始めとは違い、親が歯の生え始めを知ることはない」ため、親知らずという名が付いたそうです。
そんな親知らずですが、
大人になってから親知らずの歯が痛いという経験はありますか?
その時は虫歯も疑う方が良いです。
私は留学中に歯医者に行けず放置して親知らずを抜いたことがあります。
実体験も交えて親知らずが痛い場合は早めに対応すべき理由を紹介します。
親知らずは一番最後に生えてくるため、他の歯のように縦に生えず、横や斜めに生えてしまうことが良くあります。
パターン別に紹介します。
手前の歯にぶつかる(横伸び)
画像の右上の生え方です。
この生え方は自分でも見えるので分かりやすいと思います。
この生え方は目では見えないような小さな隙間が空いてしまっています。
この狭い隙間は歯磨きをしてもなかなか歯ブラシが届かず、掃除が出来なくなりがちです。
その結果、知らないうちに虫歯菌が繁殖してしまい気づいた時には虫歯になっているということが多いです。
私が留学から帰国したときはこれがさらに進行してしまっていて、親知らずの下半分は完全に溶けて歯茎の上に出ている部分だけが見える状態でした。
隣の歯も親知らずに触れている4分の1ほどが溶けてなくなっていました。
結果、2本も歯を抜くことになってしまいました。
90度真横に生えている(横伸び)
画像でいう左下の生え方です。
こちらも親知らずの隣に隙間が空いてしまっています。
そのため、先ほどと同じように隙間をうまく磨くことができず、虫歯になってしまうことがあり得ます。
歯茎に埋もれている(斜め伸び)
画像でいうと右下の生え方です。
この生え方で止まっている方も多いと思います。
恐ろしいのは大人になっても親知らずは伸びる可能性があることです。
私も二十歳を超えてからでも少しずつ伸びており、以前に虫歯になった反対側の歯が奥歯に当たり始めています。
放っておくと伸びていって虫歯を引き起こす可能性があるため、できることなら抜いておくことをおすすめします。
親知らずの虫歯は気づきにくい
虫歯自体気づきにくい
虫歯の進行段階が初期の場合、痛みが出ないことがあります。
親知らずに限らず、すべての歯に言えることです。
皆さんもこんな経験はありませんか?
「歯に黒い部分があって、虫歯っぽいけど痛くないから放っておこう」
痛くないことが多いので、気づきにくことも多いのです。
虫歯が見えない
親知らずは一番奥にあるため、鏡でもそもそも見えにくいです。
親知らずが横や斜めに生えている場合、奥歯に隠れているため余計に虫歯が進行していることに気づきにくいのです。
また、親知らずが歯茎に埋もれたままになっていてもポテトチップスのような細いものを食べたときに歯ぐきを突き抜けて歯に当たってしまうこともあり得ます。
その時に虫歯菌が親知らずの歯に移って、歯茎に覆われてしまう可能性もあります。
そうなると、「何となく歯茎が痛むものの虫歯を疑うことはなく、気づいたら虫歯で歯が溶けていた」なんてことになりかねません。
気づかず放置すると危険
あごの骨が炎症を起こす
ご存知の通り、永久歯は顎の骨に刺さるように生えています。
そのため、虫歯に気づかず放置し続けると顎の骨に菌が移る危険があります。
顎の骨に菌が広がると最悪の場合、顎の骨を切除しなければならないこともあり得ます。
体内に虫歯菌が入る
歯は顎の骨にも通じていますが、血管ともつながっています。
歯の中には神経と血管の歯髄(しずい)と呼ばれる袋があります。
虫歯になるとこの歯髄から血管を通って心臓や脳に到達してしまいます。
そして、脳腫瘍を起こす原因にもなることがあるのです。
虫歯によって引き起こされた脳腫瘍が原因で死を招くことにも繋がるため、軽く見てはいられません。
まとめ
親知らずの虫歯は発症も進行もすぐに気づくことは難しいです。
なので、気づいたら虫歯が進行していることが良くあります。
私のように1本抜けば済む歯を2本抜くことになりかねません。
抜歯ならまだしも、死に至ることもあり得るので十分注意してください。
・親知らず(ウィキペディア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%AA%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9A
・丸山歯科医院ブログ 親知らずの虫歯、気づかず放置していませんか?
http://www.maruyama-dc.net/2016/09/post-138.html
・脳膿瘍のMRI ~ 虫歯を放置すると命に関わるかも?
http://mrifan.net/lecture/2197