退職を伝えたあと、事業部長と1対1で1時間話しました。
そこで引き留めていただいたのですが、正直かなり心が動きました。
不満があって辞めるわけではなかったので、なおさらです。
今回は、その引き留めで悩んだ話を書いていきます。
退職を切り出すのが怖い人
引き留められて迷っている人
今の会社に不満がないまま転職しようとしている人
退職を伝えた順番


まず、組織上のチームリーダーの方に連絡しました。
そこからグループマネージャー、事業部長へと話が上がっていきます。
そして事業部長と面談することになりました。
場所はオフィスで、予定は1時間です。
結果として、まるまる1時間を使い切りました。
大きなミーティングスペースで、未公開の資料を見せられた


通された先は、大きなミーティングスペースでした。
そこでこう言われます。
「再来週、リーダー層に説明しようと思っている資料があるんです」
出てきたのは、まだ社内にも公開されていない3か年の事業計画でした。
正直、嬉しくもあった
内容は、会社の体制が変わっていく構想や、部署をどこまで大きくするかという話です。
見せられたときの感想は、未来を感じさせる資料だなというものでした。
この事業部長なら、それを実現する力があると思っていました。
なので嬉しくもあり、同時にかなり悩みました。
引き留めというより、先の話を共有されたという感覚に近いです。
その場では即答しなかった
ただ、その場で返事はしませんでした。
「ありがとうございます」と伝えて、こう答えています。
「期待感があるのも、おっしゃる通りだと思います」
そのうえで、金曜日だったので「来週の月曜日までに返事をさせてください」とお願いしました。
これは、やっておいて本当によかったなと思っています。
あの場の空気で即答していたら、たぶん流されていました。
会社の未来の話を、しかも社内にも出ていない資料で聞かされているわけです。
しかも相手は、実際に流れを変えてきた人でした。
その場は、判断する場所としては条件が悪すぎるんですよね。
土日をはさんだことで、だいぶ頭が冷えました。
提示されたのは3つ


具体的に出された話は3つです。
- 未公開の3か年事業計画(会社としてこれから大きくしていく構想)
- 開発ではなく、コンサル系の案件に提案していくこと
- 今はない営業企画のポジション
どれも、私が言い続けてきた「開発を抜けたい」に対する回答になっています。
一番心が動いたのは営業企画
意外かもしれませんが、一番心が動いたのは3つ目の営業企画です。
想像したのはこんな仕事でした。
- 新規のお客さんをどう開拓していくかの戦略を立てる
- 今のお客さんの売上を伸ばすために、どう人を配置するか考える
- どんな人を採用して、体制を整えていくか
その次に心が動いたのが、コンサル案件の話でした。
2社目を辞めるときにも、似たことがあった
実はこれ、初めてではないんですよね。
2社目を退職するときも、同じようなことがありました。
退職が決まったあと、当時新しく発足していたマーケティングの部署がありました。
その部長と、研究開発の事業部長と私の3人で、飲みの場を設けてもらったんです。
そこで「マーケティングの方に来てもらえないか」という話をいただきました。
仕事以外の場では「エンジニアっぽくないね」とよく言われます。
ただ、一緒に仕事をしている人からもそう見えているんだなと思いました。
そうすると、ITコンサルという道だけが正解ではない気がしてきます。
ITを分かったうえで別の領域に入っていくのも、選択肢としてはアリなのかもしれない。
そんなふうに揺れました。
ちなみに前回の転職活動でも、内定をもらってから迷っています。
私はどうも、選択肢が増えると一度立ち止まるタイプみたいです。
「これは無理だな」と冷めた瞬間はなかった


引き留めの話でよくあるのが、聞いているうちに冷めてくるパターンだと思います。
具体性がなかったり、その場しのぎに聞こえたりするやつですね。
ただ、今回はそれがありませんでした。
1年ほど前に事業部長が変わって、流れが大きく変わっていたからです。
この人ならうまくいくんだろうな、という期待感が普通にありました。
なので「これは無理だな」と冷めた瞬間は一度もなかったんですよね。
だから逆に困りました。
引き留め案も「1つの求人」として比べた


悩んだ結果、やったのはこれです。
残る案も、1つの求人として並べて比べる。
引き留めは、どうしても会社への情や、これまでの感謝と混ざってしまいます。
その状態だと、たぶん正しく比べられないんですよね。
情が入ると、判断がゆるくなる
引き留めの話は、聞いていて気持ちがいいものです。
必要とされている、期待されている、という実感があるからです。
ただ、その気持ちよさと、仕事の中身の良さは別のものなんですよね。
なので私は、あえて他社の求人票と同じ扱いにしました。
職務、上司、権限、開始時期、評価、報酬。
転職先を見るときと同じ項目で、同じ温度で見る。
これをやらないと、たぶん「お世話になったし」で決めていたと思います。
比べたのは「積める経験」
年収ではなく、積める経験で比べました。
コンサルファームに行けば、確実に上流の案件に入ります。
一方、残った場合、次の案件は開発の可能性が高い状況でした。
SESなので、最終的に決まるのは営業と現場の話し合いになります。
ただし、2割から3割くらいは業務の整理やナレッジ継承をすることもあり得るとは聞いていました。
つまり、「確実」と「可能性」の比較になったわけです。
方向はどちらも同じだった
おもしろいのは、向いている方向は同じだったことです。
引き留めで出された営業企画やコンサル案件も、転職先でやることも、どちらもIT×事業の方向でした。
違いは1つだけです。
転職先はすでに仕組みがあって、今の会社はこれから作る、という点でした。
確定していたのは1つだけだった
並べてみて気づいたことがあります。
確定事項と、口約束と、構想を分けてみたんです。
そうすると、確定していたのは「今の案件が数か月後に終わる」ことだけでした。
実は少し前から、単価を上げるという理由で近いうちに今の案件を離れると聞いていました。
その少し前には、大きいお客さんに1人目として入って広げてほしい、というジャブも営業から来ていました。
つまり、営業企画もコンサル案件も、まだ構想の段階だったんですよね。
そして私は、すでに3年ほど同じような期待に賭けていました。
その結果が「言い続けても変わらない」という状態です。
同じ会社に、もう数年賭けるかどうか。
そう考えたら、答えは出ました。
断ったら、チャット1本で終わった


断る連絡は、チャットでしました。
正直、もう一度粘られるかなと思っていました。
でも、そういうことはなかったです。
返ってきたのは「そう決めたなら応援する」という言葉でした。
2社目を辞めたときも同じで、どちらも断りにくいということはありませんでした。
引き留めが怖くて退職を言い出せない、という話はよく聞きます。
私も言い出す前は少し身構えていました。
ただ、実際にやってみると意外とこんなものかもしれません。
まとめ:今のところ「残っていたら」とは思っていない


今のところ、「残っていたらどうだったかな」と思うことはありません。
ただ、1年後や2年後に会社を見たときに、どれだけ成長しているのかは素直に楽しみです。
引き留めていただけるのは、ありがたいことだと思います。
断るのは申し訳ないですし、実際かなり悩みました。
それでも、確定事項と構想を分けて1つの求人として並べたら、答えは出ました。
もし今、引き留められて迷っている方がいたら、まず紙に書き出して分けてみてほしいです。
情が入ったまま頭の中だけで考えると、たぶんずっと決まらないと思います。




































