PG から SE、そして PL・PM、その先にコンサル。
これがSEの王道だと、ずっと思っていました。
そして自分は、そこから外れている自覚があります。
先に結論を書いておくと、この不安は今も消えていません。
消えていないまま転職した話を書きます。
自分のキャリアが王道から外れていると感じている人
上流に行きたいけれど、開発経験が足りないと思っている人
何でも屋になっている自覚がある人
「王道」のイメージはどこから来たのか
そもそも、なぜ王道だと思っていたのか。
振り返ると、出どころは2つでした。
会社の等級制度
どの会社にも、等級や職位の定義があります。
そして中身を読むと、だいたい下流から上流へ順番に上がっていく形で書かれています。
製造ができる、単体テストができる、詳細設計ができる、基本設計ができる。
そういう順番です。
毎年その表を見ていれば、それが正しい道に見えてきます。
しかも評価面談のたびに、その表を使って話をします。
「次の等級に上がるには、この工程ができるようになってください」
そう言われ続けると、順番以外の進み方があるとは思わなくなるんですよね。
周りのエンジニアの経歴
もう一つは、実際に見てきた人たちの経歴です。
先輩も、同期も、現場で会う人も、だいたい同じ順番で進んでいました。
誰も外れていないなら、外れるほうがおかしい。
当時はそう思っていました。
今思えば、単に自分の見ている範囲が狭かっただけです。
同じ会社と同じ現場にいれば、似た経歴の人しか目に入りません。
ただ、王道を歩いていれば上がれるわけでもなかった


同世代で、きれいに王道を歩いている人はいます。
ただ、よく見るとみんなが上がっているわけではありませんでした。
ほとんどの人は、設計からテストまでの仕事をしています。
何年やっても、そこは変わっていません。
本人たちが上に行きたくないのかというと、そうでもないと思います。
単純に、そういう仕事が回ってこないだけなんですよね。
能力とタイミングの両方がいる
上流の工程まで進めている人には、共通点がありました。
まず、単純に能力が高いです。
そのうえで、案件や業務のタイミングが重なった人だけが上がっていました。
その時期に上流の枠が空いていたか、任せてもらえる人がいなかったか。
つまり、順番に並んでいれば上がれるという話ではないんですよね。
これに気づいたとき、王道という言葉が少し軽くなりました。
順番に並んでいても、前が詰まっていたら進めません。
そして枠が空くかどうかは、自分ではどうにもならない部分が大きいです。
SESだとなおさらで、そもそも次にどの現場へ行くかも選べません。
逆のパターンも見た


1社目に、1つ上の先輩がいました。
その先輩は、開発をしっかりやりきらないうちに、受託案件の見積もりを任されるようになります。
そして、かなり苦労しているのを横で見ていました。
上流だけ先に行くのも、それはそれで危ない
見積もりは、作ったことがないと根拠を持てません。
「この機能なら何人日」という感覚が、どうしても持てないんですよね。
聞いて回るしかなくなるので、時間もかかります。
私が開発の経験を積みたかった理由の一つも、まさにこれでした。
上流に行きたいから、逆に下流をやっておきたかったわけです。
実際、開発を3年やってみて、この判断は正しかったと思っています。
変更の影響範囲がどこまで広がるか、テストにどれくらい手間がかかるか。
このあたりの感覚は、やってみないと絶対に身につきませんでした。
エージェントには、やめたほうがいいに近いことを言われた


転職エージェントに相談したときは、はっきり言われました。
「急にITコンサルになって、苦労する人をたくさん見てきました」
だから、まずは開発の経験を積んだほうがいい。
そういう方針で求人を紹介してもらっていました。
今思うと、話が噛み合っていなかった
このアドバイス自体は、間違っていないと思います。
ただ、あとから気づいたことがあります。
「ITコンサル」が一括りにされていたんですよね。
実際には、けっこう幅があります。
- 1から受託で開発をするタイプのコンサル
- 業務プロセスそのものを変える、BPR寄りのコンサル
私が行きたかったのは、後者でした。
前者なら、たしかに開発経験が足りないと苦労すると思います。
一方で後者は、業務を聞いて整理する力のほうが先に要ります。
ここは事業会社のIT部門でやってきたことなので、まったくの未経験ではありません。
ただ、これは自分の説明不足でもある
とはいえ、当時の私もそこを分けて説明できていませんでした。
「上流に行きたい」「コンサルに興味がある」としか言えていなかったと思います。
ぼんやりした希望には、ぼんやりした助言しか返ってこないんですよね。
相手が悪いわけではありません。
今回の転職活動では、ここをかなり意識しました。
「業務の課題を整理して、ITで解決するところまでやりたい」
そう言えるようになったのは、一度ぼんやりした希望で失敗したからです。
いちばん怖いのは「強い分野がないこと」


1社目の当時の上司とは、今でもたまに飲みに行きます。
そこでキャリアの話になったときに出たのが、この話でした。
うまくいかない人の理由の一つは、ここという強い分野がないまま、色んな仕事をしてしまうこと。
聞いた瞬間、わりとドキッとしました。
その上司は、私を責めるつもりで言ったわけではないと思います。
ただ、心当たりがありすぎました。
これは、そのまま自分にも当てはまる
私の経歴はこうです。
- システムの保守・改修
- IT企画部で要件定義やシステム導入
- 事業会社の社内SE
- SESで客先常駐の開発
幅は広いです。
ただ、ここが強いと言い切れるものがあるかというと、正直あやしいです。
たとえば「この業界のこのシステムなら詳しい」と言える状態ではありません。
技術で突き抜けているわけでもないです。
王道を外れる不安の正体は、たぶんこれなんですよね。
順番の話ではなく、何者にもなっていないことへの不安です。
それでも動いた理由


最初に書いたとおり、不安は消えていません。
転職を決めた今も、同じことを考えています。
ただ、前より勝率は高いと思っている
直接の答えではないかもしれませんが、こう考えています。
コンサルファームであれば、顧客側もシステムを知っていることが多いです。
つまり、システムの話が通じる相手と会話ができます。
これは、SEを知らない人ばかりの会社に一人で入るのとは、だいぶ違います。
もう一つは、周りに先輩がいることです。
やり方を見て学べますし、詰まったときに聞ける人がいます。
未経験の職種に移るときに、これはかなり大きいと思っています。
前の職場でも、経験の浅いメンバーが詰まったときに助けていたのは周りの人でした。
「一人で価値を証明する」状態ではありません。
なので、何となくですが、なんとかなるんじゃないかなと感じています。
根拠としては弱いです。
ただ、不安の大きさを比べたときに、こちらのほうが小さかったというだけの話です。
前の年に本命だった会社は、社内にSEがほとんどいない環境でした。
そこで一人で価値を出すことを想像したときのほうが、正直こわかったです。
まとめ:不安が消えてから動く必要はない


この記事に、きれいな結論はありません。
王道を外れる不安は、今も普通に持っています。
ただ、消えるのを待っていたら、たぶん一生動けないと思いました。
なので、消えないなら少しでも勝率が上がる場所を選ぶ。
今回やったのは、それだけです。
同じように「自分は王道から外れている」と思っている方がいたら、一つだけ。
周りを見た限り、王道を歩いている人も、全員が上がっているわけではありません。
答え合わせは1年後にするつもりなので、そのときにまた書きます。




































